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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

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オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~
男は死ななかったのか、それとも生きたのか?

原題:All Is Lost
製作:2013年 米国、J・C・チャンダー監督
出演:ロバート・レッドフォード、ほか
レート:★★★☆☆

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十年ひと昔とはよく言うもので、2000年代に入って10年以上がたち、やおら'80~'90年代を懐かしがる風潮はエンタメ界で顕著である。

昨今のハリウッドでは、かつて'80~'90年代に活躍したスター俳優たちがメジャー作品に戻ってきて人生最後の春を謳歌している。『RED/レッド』('10)シリーズや『エクスペンダブルズ』('10)シリーズに出ているアクション系オヤジたちしかり、デ・ニーロやケビン・コスナーしかり。

ロバート・レッドフォードもその波に乗ったようで、『ランナウェイ/逃亡者』('12)といい今作といい、そして間もなく公開の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』といい、最近になって最前線に戻ってきた感がある。


ストーリーはいたってシンプルで、ヨットがコンテナに衝突して難破してしまった男の話。

破損した部分から浸水し、やがてヨットは沈む。救命ボートで漂流する日が続くも、なんとか貨物船の航路に入ることができた。しかし、SOSの狼煙を上げても巨大なタンカーからすれば男が乗るボートは蟻ん子のような小ささ。気付いてもらえる気配すらなく、いよいよ水もなくなり万策尽きたラスト、男はある行動を取る・・。


ピンチにも一切わめかず、叫ばず、嘆かず。男がただ生きるために最善を尽くす様が描かれる。冷静に淡々とサバイバル術を駆使する姿から、男がどれほど長い月日を海の上で愛するヨットと過ごしてきたかが浮かび上がってくる。

台詞はほとんどなく、遭難という極限の状況と男の眉間に寄せられるシワしかストーリーを語る術はない。男の生き様を描くという意味では、台詞以上に雄弁な手法だが、そこに上積みのようなものは見つからない。


重要なのは、彼が死ななかったかどうかではなく、本当に生きたのかどうかということだ。彼が何のために、誰の生き残ろうとしたかが描かれていない。冒頭で男が誰かに向けて「すまない」と3回繰り返すのと、最期を悟った時にボトルに手紙を入れて海に流すのだが、それが誰に宛てたものか、誰に何を謝っていたのかは語られない。

他者とのつながりを示すシーンなしに、彼がどう生きてきて、なぜ生き残ろうとしているかは分からず、つまりは映画の中での彼の存在そのものの意味が分からないのだ。

ただの逞しい男を描くには十分なサバイバル映画だが、レッドフォードの演技を称賛するためだけの映画にしては野暮ったい気がして今さら感は否めない。

一人芝居の映画というジャンルでくくるなら、ダニー・ボイルの『127時間』('10)には到底叶わない。色彩、音楽、構成、芝居、すべてが高いレベルで調和したあの作品に比べると、本作はレッドフォードよがりなものでしかない。



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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 19:22:37 | トラックバック(0) | コメント(0)
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