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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

※基本的にネタバレしてます。その点ご留意ください。※

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★★★★★・・・何をおいても必見
★★★★☆・・・オススメ!
★★★☆☆・・・一見の価値はあり
★★☆☆☆・・・悪くはないけど
★☆☆☆☆・・・私は薦めない

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ダラス・バイヤーズクラブ
生きる狂気がもたらした本当の人生

原題:Dallas Buyers Club
製作:2013年 米国、ジャン=マルク・ヴァレ監督
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー、ほか
レート:★★★★☆

dallas-buyers-club-review.jpg

ロデオ会場の裏で、鼻息荒く腰を動かす男がいる。

男の名はロン。電気技師の仕事で日銭を稼ぎ、その稼ぎはギャンブルで失う。仲間と酒を飲み、その場限りの女を抱き、ドラッグに興じる毎日。そんなある日、ロンは突然膝から崩れるように倒れ病院にかつぎこまれる。目を覚ました彼に医師は、検査の結果HIVに感染していることが分かり、現在の症状から見て余命1ヶ月だと告げる。世間ではエイズは同性愛者がかかる病気と信じられていた。同性愛者を嫌悪するする自分がその病気にかかっている。怒りと拒絶から一切の治療を拒否するロンだが、みるみる病状は進行し一時瀕死の状態にまで陥ってしまう。

ロンはAZTと呼ばれるエイズ治療薬が海外で効果を上げていることを知り医師に求めるが、米国で未承認の薬のため拒まれてしまう。そこでロンはメキシコへ渡り、代わりの治療薬を手に入れる。その後米国で承認されたAZTが副作用の酷さ患者を苦しめる結果となっている一方、メキシコで入手した代替薬の効果を身を持って体感したロンは薬を密輸し、会員制の販売会社を立ち上げる。会費を募り、無料で配る。しかしそんな彼の前に立ちはだかるのはAZTを推奨する医師たちと製薬会社、そして政府だった・・。


一週間前に見たけどレビューを書く時間が取れず、気がつけばアカデミー賞発表当日になってしまった。本作は主演男優賞、助演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の3冠!!!

かなり製作費が限られていたらしく、撮影期間は一ヶ月弱、メイクの予算は3万円程度だったとか(ホント?!)。お金はかけられなくても人の心を揺さぶる映画は作れるっていうことを教えてくれる一本。


主演と助演を受賞した二人、マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトの演技には圧倒された。21キロ減のダイエットで骨と皮だけのガリガリガリクソンになってしまったマコノヒー。指摘されないと彼だとは気付かないレベルだ。

増量・減量の"変身パフォーマンス"がアカデミー賞で高い評価を得ることが多い近年、しかし今回のマコノヒーは単なる見た目の変身に終わらない、死を目前にして必死に生きる権利を掴もうとする男を限界まで絞られた体重と極限まで高められた集中力で表現している。

相棒のレトはマコノヒーに劣らない、いやそれ以上の存在感を出している。HIV感染者でトランスジェンダーのレイヨンを演じているのだが、病や性的嗜好を巡って親との間に確執があったことを示すほんのわずかなシーンから、彼が痛々しいほどに刹那的に生きる理由がかいま見える。


この作品が面白いのは、自己チューの差別主義のジャンキー野郎だった男が結果的に他人に生かされているという点だ。彼が薬を配ったのは同じ病を抱える人を救いたかったからではなく、まず自分が生きるためだったし、お金が欲しかったからだし、腐った体制にク○を投げつけたかったからだ。

そんな自分のための行動が結果的に周囲の人を助け、やがて他人によって自分が生かされていたことに気付かされるのだ。裁判に負け、打ちひしがれて帰宅した彼を待っていた人々がある行動を取る。それを目にしたロンはただ呆然とし、ちょっと戸惑う表情を見せる。

ドラッグ、酒、タバコ、ギャンブル、女。快楽のみを求めて一人で生きてきた彼が、生まれて初めて本当の意味での生を得た瞬間だった。


一月の『MUD -マッド-』でも書いたが、完全にマコノヒーは40代のトップクラスの俳優の一人になったと言える。それはここ3~4年の作品を見れば明らかだったが、今回の主演男優賞の受賞で客観的な説得力を獲得したと言える。

子どもを授かったことが作品の選び方を改めて考えるきっかけとなり、高額ギャラのメジャースタジオ作品から低予算のインディペンデント作品へと舵を切ったマコノヒー。もらえるお金は少ないがスタジオ作品ではないぶん表現の制限が少ないだけに、才能をいかんなく発揮できる場を得たということだろう。

matthew-mcconaughey-oscar-2014-speech-gi.jpg



最後に、今日の彼の主演男優賞の受賞スピーチがとても良かったので以下に記しておきます。注:英語は細かい部分は省略されたり変更されたりしているもので、一語一句正確ではありません。和訳は私のなんちゃって訳です。


There’s about three things... that I need each day. One of them is something to look up to, another is something to look forward to, and another is something to chase.

First off I want to thank God because that’s who I look up. He has graced my life with opportunities that I know are not of my hand or any other human hand. He has shown me that it’s a scientific fact that gratitude reciprocates. In the words of the late Charlie Laughton who said “When you’ve got God you’ve got a friend, and that friend is you...”

To my father who I know he’s up there right now with a big pot of gumbo, I know he’s in his underwear and he’s got a cold can of Miller Light and he’s dancing right now. To you dad, you taught me what it means to be a man... And my mother who demanded we respect ourselves, so that we are better able to respect others. To my [family] you are the four people in my life that I want to make the most proud of me.

To my hero, that’s who I chase. When I was 15 years old I had a very important person in my life come to me and say ‘who’s your hero,’ and I said ‘I’m not going to think about that, give me a couple of weeks.’ I come back two weeks later this person comes up and says ‘who’s your hero’ and I thought about it... ‘it’s me in ten years.’ So I turn 25 ten years later and that same person comes back to me and says ‘are you a hero?’ and I was like ‘not even close. My hero’s me at 35...’ My hero’s always 10 years away. I’m never going to be a hero. I’m never going to obtain that, I know I’m not.

We must have someone each day to keep on chasing. So whatever it is we look up to, whatever it is we look forward to and whoever it is we chase I say All right, all right, all right! I just keep living. Thank you.


私には必要なものが3つあります。感謝するもの、尊敬するもの、目標とする人、です。

まず、神に感謝したいと思います。神は私の人生に素晴らしいチャンスをたくさん与えてくれました。感謝は必ず報われるということを教えてくれたのです。かつてチャーリー・ロートンはこう言いました。「神を信じれば友を得る。友とはあなたのことである。」

それから、今は亡き私の父。ガンボ(アメリカ南部の煮込み料理)を用意して、下着姿で冷えた缶ビールを片手に、今ごろ踊っていることでしょう。父は男とは何たるかを教えてくれました。母は他人を尊重するにはまず自分たちを尊重することだと教えてくれました。それから家族のみんな、君たちを最高に誇らしく思います。

そして、私のヒーロー、つまり目標とする人。15歳の時ある大事な人から「君のヒーローは誰?」と聞かれました。私は「考えたこともないな。ちょっと考えさせて」と答えました。二週間後同じ人に再び「君のヒーローは誰?」と聞かれ、私は「10年後の自分です」と答えました。それから10年がたった25歳の時、同じ人にまた聞かれたんです、「君がそのヒーローかい?」って。私は、「とんでもない。35歳の自分なら・・」と答えました。私のヒーローは常に10年後の自分なんです。つまり、ヒーローになることは一生ない。絶対になれないと分かっているもの。

人生において重要なのは、目標を持つことなんです。だから感謝して、尊敬して、目標を持って、私はこう言います。「よし、よし、よし!」。人生は続きます。どうもありがとうございました。



※補足:最後の「All right, all right, all right!」の部分で観客の興奮は最高潮に達し、個人の受賞スピーチの中ではおそらくこの日一番の大きな拍手に包まれましたが、この台詞は1993年の彼のデビュー作『バッド・チューニング
(Dazed and Confused)』で彼が初めて喋った台詞であり、彼の代名詞のような口癖だったようです。




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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 18:52:45 | トラックバック(0) | コメント(0)
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