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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

※基本的にネタバレしてます。その点ご留意ください。※

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★★☆☆☆・・・悪くはないけど
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さよなら、アドルフ
敗戦後、私が生きていた世界は変わった

原題:Lore
製作:2012年 豪州・ドイツ・英国、ケイト・ショートランド監督
出演:ザスキア・ローゼンダール、カイ・マリーナ、ほか
レート:★★★☆☆


今年度のアカデミー賞外国語映画賞のオーストラリア代表作を見に、銀座シネスイッチへ。

Lore 3

1945年春、敗戦直後のドイツ。ナチス幹部だった両親が連合国に拘束され、住んでいた家を追い出された14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダー)は、妹、双子の弟、そして赤ん坊を連れて、遠く離れた祖母の家を目指すことになった。子どもといえど、ナチスの身内であったローレたちに世間の目は冷たく、食べる物も寝る場所もままならない旅を続けていた。ある日、ローレは街角に貼られていた写真を目にする。そこには大量のユダヤ人の遺体と、父と同じ制服を着たナチス幹部らの姿があった。愛する父が加担していた行為を初めて知り、言葉に出来ない衝撃を受ける。そんな道中、連合軍の兵士に呼び止められ身分証の提示を求められる。身分証を持たないローレらは焦りを隠せないでいたところに、一人の青年が現れ、「彼女らの兄のトーマスだ」と身分証を出してくれたおかげでなんとか危機を乗り越える。しかしローレがその身分証の隙間に見たのは、なんとユダヤ民族の証であるダビデの星だった・・。



肌寒さの残る春の空を覆う厚い雲のような、敗戦直後のドイツの重苦しい空気が作品全体に漂う。

疑うことなく信じていた価値観が崩壊し、それまでの自分を否定せざるを得なってしまう14歳の少女の変化を描く。ローレが両親と過ごした日々は一切描かれないが、この作品全体で見せるローレの大きな戸惑いや悔しさから、我々はいかに彼女が父親を愛し、いかに両親から教わった世界が真っ当なものだと信じていたかを知る。

両親がユダヤ人の命を奪うことで生活できていたという事実と、そのユダヤ人に助けられ、幼い兄妹たちと生き延びるために彼に頼らざるをえなくなっている今の状況。ローレの心の中ではユダヤ人への屈辱と両親への憎しみが激しくせめぎ合うのだ。パーソナリティや自我が不安定になる14歳という時期に、価値観の崩壊と歴史の転換というテーマを組み合わせたプロットは新鮮で、抑制の効いた映像トーンと静かな音楽が少女の変化をより克明に際立たせる。

終盤、祖母の家に辿り着いたローレたちは、とある事実を知る。そこでローレをもう一度揺さぶり、物語をもう一つ上のステージに飛躍させている。彼女のさらなる心情の変化を観客に想像させてこの作品は締めくくられるのだが、残された余白の中で私たちが今信じている世界をローレと一緒に見つめなおすことになるのだ。





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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 19:13:23 | トラックバック(0) | コメント(0)
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