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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

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★★☆☆☆・・・悪くはないけど
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鑑定士と顔のない依頼人
手袋を外した手で掴もうとしたもの

原題:La Migliore Offerta
製作:2013年 イタリア、ジュゼッペ・トルナトーレ監督
出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・ホークス、ほか
レート:★★★★☆

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スゴ腕の鑑定士にして、世界中の美術品を扱う一流のオークショニアであるヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)。早くに親を亡くし、いまなお独身で過ごす彼は、毎日手袋をして生活するほどの潔癖症で、人間よりも芸術を愛して生きていた。そんなある日、資産家の両親を亡くし、屋敷に残された絵画や家具を査定してほしいという若い女性・クレア(シルヴィア・ホークス)からの依頼が届く。しかし何度屋敷を訪れても、約束をドタキャンされてしまう。ようやく会えたかと思えば、壁の向こう側から姿を現さない。そんなクレアに対しヴァージルは苛立ちを募らせる。しかし、なぜか訪れるたびに偶然見つかる18世紀のオートマタ(機械人形)の部品に惹かれると同時に、一向に姿を現さないクレアのことがどうしても気になっていく。そしてついに、彼は屋敷を去ったふりをして部屋の物陰に隠れ、壁の奥の部屋からクレアが出てくるのを覗き見てしまう。そこに現れたのは、若く、どこかあどけなさが残り、まるで絵画から出てきたような美しい女性だった・・。


『ニュー・シネマ・パラダイス』('89)で若くして才能を認められたジュゼッペ・トルナトーレが、『シチリア!シチリア!』('09)以来の久しぶりの長編フィクション作品を手がけたとあって、今年初め頃から首をなが~くして待っていた。母国イタリアでの公開から約一年、やっとこさの日本公開。長かったっす!

公開2週目にも関わらずTOHOシネマズシャンテは満席で、映画が好きな人たち、トルナトーレ監督が好きな人たちの期待の大きさが表れていた。驚くことに公開3週目に入った今も毎回ほぼ満席が続いているようで、こんな人気ぶりはシャンテに行くようになって初めて目にする現象である。


作品の冒頭で描かれるヴァージルの鑑定士としての仕事や生活。ヨーロッパの優雅で重厚な空気感が漂う。やがて謎の資産家令嬢から依頼が届くと、謎に満ちたミステリアスな雰囲気が立ち込めてくる。その頃にはもうすっかりこの作品の持つ不思議な世界観に引きずり込まれてしまっていた。このヨーロピアンでミステリアスなトーンは作品の最後まで貫かれ、124分間、一秒も目をそらすことなくスクリーンに釘付けにさせられた。

壁の向こう側から出てこない依頼人、あらゆる問いの"答え"を告げると言われる機械人形、壁一面に飾られた数百枚の女性の肖像画、屋敷の近くのカフェで一日中窓の外を眺めながらランダムな数字を言い続ける謎の女性・・、作中にはさまざまなミステリアスな要素が登場する。このすべての要素が終盤に一つにつながり、謎に対する答えが明らかになる。

しかしここでトルナトーレがスゴイのは、その謎への答えが白にも黒にもとれるような見せ方で物語を締めくくる点だ。テーブルにつくヴァージルのラストショットは、冒頭で映されるヴァージルの同じ構図のショットの対比になっており、カメラがゆっくりと引いていくと彼の周囲に現れる景色は、単に謎の答えを示すだけではなく、ストーリーの深みを掘り起こすような絶妙なシーンとなっている。毎回彼が作品ラストに仕掛ける"トルナトーレ・マジック"は今回も顕在だ。


ジェフリー・ラッシュが出ている作品はほとんど見たことがなかったが、トルナトーレ監督が彼をヴァージルとして脚本を当て書きしたというほど、彼はこの役に見事にハマっていた。両手の手袋で完璧・潔癖をまとう冒頭から、それらを脱ぎ捨てる最後まで、彼の役者としての力がフルスロットルで発揮されている。60歳を過ぎて俳優冥利に尽きる役を手にした彼はかなりの幸運オジさんと言えよう。

そして、壁の奥に隠れる依頼人・クレア役のシルヴィア・ホークス。オランダ人の美女。物語が進むにつれて、驚くほど美しさを増していき、終盤にはヨーロッパの高貴な淑女に変貌しているのだ。着飾った姿からあられもない姿まで、彼女はこの作品で重要なピースを演じているので必見である。




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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 18:34:27 | トラックバック(0) | コメント(0)
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