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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

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ウォールフラワー
今、この瞬間ぼくらは無限だ

原題:The Perks of Being a Wallflower
製作:2012年 米国、スティーヴン・チョボスキー監督
出演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、ほか
レート:★★★★☆

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ピッツバーグ郊外の高校に通う一年生のチャーリー(ローガン・ラーマン)。友人が一人もできず、誰からも気づかれない"壁の花"のような存在だった。卒業までの残り日数を数えては苦行のような高校生活をうらめしく思っていたある日、パトリック(エズラ・ミラー)と義理兄妹のサム(エマ・ワトソン)に出逢う。二人とも明るく、自由を謳歌する彼らと過ごすうちに次第に自分が変わっていっていることに気付く・・。


監督のスティーヴン・チョボスキーが自身の高校時代の経験を元に書いた原作を、彼自身の手で映画化した作品。

原作は1999年に刊行され、200万部以上を売り上げる大ヒットとなる。一方で、セックス、ドラッグ、同性愛、自殺といった要素を扱うこの本は、多くの米国の中・高校図書室で閲覧禁止となった。賛否両論を巻き起こしたこの原作には数々の映画化のオファーが舞い込んだが、チョボスキーは半自伝的ともいえるこのパーソナルな作品をぜひ自身の手で監督したいと、多くの映像の仕事に携わる中で技術と自信を蓄え、満を持して映画化に踏み切ったのが今回の作品だ。

この映画は、十代のころ漠然と抱いていた不安や孤独、現実への苛立ちと、一方で永遠を信じる無邪気さや、未知の世界への無限の期待感、なんかが複雑に入り混じっていたあの頃の感情がたっぷり詰まっている。

主人公のチャーリーはシャイで誰とも打ち解けられずにいるが、本当の孤独を知っている人間は人に優しくなれるものだ。壁に咲く花のように誰からも相手にされずにいたが、彼はそれだけ周りの人のことをよく見る眼を持っていたといえる。人をよく観察し、その人の気持ちを想像できる心を持っていた。

まるで違った生活を送るサムやパトリックと親しくなれたのも、彼らが底抜けに明るく自由を楽しんでいる一方で、その裏には誰にも打ち明けられない悩みや葛藤を抱えていることをチャーリーは何となく気付いていて、逆に二人の方もチャーリーが自分たちの痛みを理解してくれる人間だと何となく気付いていたからだろう。

傷つきながらも成長していく3人はやがて別れの時を迎える。二人がいなくなった後、幼児期のトラウマに襲われ、精神的に不安定になっていくチャーリーの姿は痛々しい。それは彼を待ち受けていた最大の壁だが、彼がラストシーンで見せた表情はそれでもこの世は生きる価値があるということを示し、あの頃を経験した人も今現在経験している人をも救ってくれるような希望に満ちたシーンとなっている。


チョボスキーは、初めての監督作とは思えないほど気の利いた編集術を見せている。物語の舞台となるのは80年代だが、当時の監督に影響を与えた音楽、本、舞台などを使ってノスタルジックに再現している。チャーリーを演じたパーシー・ジャクソンことローガン・ラーマンの演技は素晴らしく、23歳ではあるが微細な心の動きを繊細な表情の変化で演じている。

エマ・ワトソンは『マリリン 7日間の恋』('12)に出るもチョイ役だったので、今回初めてまともに演技しているのを見た。年上の男と付き合っていて大人びているんだけどどこか放っておけない弱さもかいま見える、そんな女の子を魅力的に演じている。エズラ・ミラーは『少年は残酷な弓を射る』('11)の衝撃的な役とは真逆のようなハジけていて、だけどフラジャイルな面を持った役どころ。独特の雰囲気のある役者になるだろう。


なんだか心のジュクジュクした部分をえぐられているようで見ていて若干辛かったのは、なんと自分がまだ子どものままなのだろうと落ち込む反面、そんな気持ちを一切忘れたカラッカラの大人になるよりはまだ忘れずにいれていることの方が実は悪くないのかな、なんて思わせてくれた作品だった。


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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 18:00:04 | トラックバック(0) | コメント(0)
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