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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

※基本的にネタバレしてます。その点ご留意ください。※

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★★☆☆☆・・・悪くはないけど
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許されざる者
過去の十字架を背負って彷徨う魂の旅路

原題:許されざる者
製作:2013年 日本、李相日監督
出演:渡辺謙、柄本明、柳楽優弥、ほか
レート:★★☆☆☆

月日が経つのは早いもので。ボヤボヤしてたらもう9月も終わり。新作レビューが溜まってしまっているので順番にいきます!

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1880年、江戸幕府崩壊後の北海道。人里離れた土地で子どもたちとひっそりと暮らす釜田十兵衛(渡辺謙)。その正体は、幕末の京都で幕府の命を受けて人斬りとして名をとどろかせていた刺客。幕府崩壊を機に各地を転々と流れ歩くようになり、五稜郭の戦いを境に新政府の追手をかわして失踪。それから10年、十兵衛に刀を捨てさせる決意をさせた妻は先立ち、経済的に苦しい日々を送っていた。そんなある日、かつての盟友・金吾(柄本明)が現れ、女郎屋の女を切った男二人を殺して賞金をもらおうと持ちかける。明日の生活もままならない十兵衛はやむなくこの話を受け、再び刀を手に取り旅立つことにしたが・・。


イーストウッド師匠がアカデミー作品賞を獲得した'92年の同名の作品のリメイク。リメイクブームまっただ中のお膝元ハリウッドでさえ手を出していないこの作品をリメイクしちゃおうってんだから、いくら世界のケンちゃんの師匠コネクションがあったとはいえ、李相日監督は相当の覚悟を持っていたに違いない。

そんな李監督の覚悟は、スクリーンからヒシヒシと伝わってくる。厳しい冬の北海道を捉えた風景しかり、アイヌと倭人の関係性を組み込んだ脚本しかり。開拓前夜の原風景を再現すべく北海道オールロケを敢行し、猛吹雪を伴う過酷な撮影環境にも一切の妥協を許さずカメラを回している。あまりにストイックでサディスティックな画作りがされている。

また、当時の北海道を描く上で外せないアイヌの存在。これを避けることなく、主人公の心が動く時は必ずアイヌの民の存在が関わるようにストーリーを構成している。アイヌの存在を知らない世代には良いきっかけとなると思う。ただ、そもそもそういう世代は軟派な要素が極薄のこの作品を見ないんじゃないかと思う。興行とはつくづく難しいものですね。

そうしたズッシリとした画力(えぢから)と脚本をベースに、江戸から明治へと時代が大きく移り変わっていく中で、過去の十字架を背負って生きる男の行き場のない魂の旅を、世界のケンちゃんが繊細かつ力強く演じている。複雑にうごめく感情が身体の底からにじみ出るようなケンちゃんの演技力でもって、作品はさらに重厚なトーンを醸し出す。

そんな監督のストイックさを感じられる一方、音楽などは最小限に抑えられるなど感情を動かすようなエンタメ性は乏しく、終盤のちゃんばらの大立ち回りもそこそこのスケールで収まっている。この作品のカラーや物語の必然性を考えればそれで十分なのだが、そこはやっぱり映画、見に来た人をワクワクさせるような楽しさも欲しい。なんて日頃ハリウッドに毒されてしまっている私なんぞは思ってしまう。

監督もスタッフもキャストも素晴らしい仕事をしていると思うが、映画は人に見てもらってなんぼ。香取慎吾に主役をやらせなかっただけマシだけど、高いレベルで硬軟のバランスを取ることはできるはず。『ダークナイト』シリーズなんかを見てるとそう思ったりするのです。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 14:43:57 | トラックバック(0) | コメント(0)
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