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由紀

Author:由紀
劇場で見た作品のみレビューしてます。

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プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命
運命の交差、2組の父子の物語

原題:The Place Beyond the Pines
製作:2013年 米国、デレク・シアンフランス監督
出演:ライアン・ゴズリング、ブラッドレイ・クーパー、デイン・デハーン、エモリー・コーエン、ほか
レート:★★★★☆

『ブルー・バレンタイン』('10)で男女の愛の終わりに漂う切なくて醜くくてグレーな空気を描いたデレク・シアンフランス監督。そんな彼が再びゴズリングと組んだ今作は、ある小さな町に住む二つの家族の父親と子どもが交錯していく物語。3幕構成で、第1幕はルーク(ライアン・ゴズリング)、第2幕はエイヴリー(ブラッドリー・クーパー)、そして第3幕はそれぞれの子ども、ジェイソン(デイン・デハーン)とAJ(エモリー・コーエン)が描かれている。

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ニューヨーク州の小さな田舎町。移動遊園地のバイクスタントで生計を立てているルーク。1年前に一夜を共にした女性が自分の子どもを出産していたことを知る。彼はスタントの仕事を辞め、ひなびた自動車修理工場の整備士になるが大した金にならない。子供の父親としてできる限りのことをしてやりたいルークは、同業者のおっさんに誘われ銀行強盗をすることに。スタントで培ったバイクの腕を活かして強盗を成功させ、大金を手に入れる。しかしある日、我が子のために何かを残したいと願うあまり「強盗は1日1回まで」というおっさんからの助言を破り、連続強盗を犯してしまう・・。

いきなりゴズリングの、ぶっとい腕やら背中やらにタトゥー入れまくりの筋骨隆々の上半身サービスカットから始まり、のっしのっしと球体バイクデスマッチに歩いて行く後ろ姿を長回しで追っかけていくオープニング映像がスクリーンに釘付けにさせる。だいぶ顔に寄るショットが多く、ステディを使わず手持ちのブレを使って主人公の内面や周囲との関係性の不安定さを表現する。強盗のバイクチェイス・シーンは『ドライブ』よろしく迫力満点。車だけでなくバイクのハンドルを持つ姿も様になっており、そばに乗り物を置いてひとたびタバコに火をつければもう画になっているという彼の天性の色気が十分に発揮されている。

根無し草の一匹狼的な役柄が多かった彼だが、今作で監督は彼に父性に目覚める男を演じさせている。はじめは息子の存在に戸惑いつつも、やがて、息子に何かを残してやりたいという強い想いを持つようになる。それがまるで自分の存在意義を肯定するかのように必死で、不器用。無償の愛だとか崇高な言葉では片付けられない、親の持つ子への複雑な感情を監督はルークを通して描いている。

pines-2.jpg

父に裁判官を持つ新米警官エイヴリー。ある日、連続強盗犯を追いつめ、銃撃戦の末に犯人を射殺。凶悪犯をやっつけたことでヒーローに祭り上げられ誇りに思う反面、実は犯人に自身のと同じくらいの小さな幼子がいることを知り、動揺する。さらに後日、エイヴリーの同僚たちが、強盗犯が妻と幼子に大金を遺したことを嗅ぎつけ、エイヴリーを誘ってその金をボッシュートし、エイヴリーにも分け前だと渡す。警察の汚職の実態を知りショックを受けるエイヴリーは、同僚から持ちかけられたさらなる犯罪行為を看過できず、すべてを陽のもとにさらすことを決意する・・。

ワイルド系イケメン vs ジェントルマン系イケメンという世の女性を悩ます構図。どっちも捨てがたいけど、好みは別れるのではないだろうか。そんなクーパー君は、正義一本槍で世の中渡れるほど甘かないんやでっていう元裁判官の父親に反発しながらも、警察組織の腐敗を目の当たりにしたり犯人の命を奪ったりしたことで良心の呵責にさいなまれるという役どころ。

このパートでは、汚職、ドラッグ、離婚、など、社会的な問題をいくつか盛り込んでいる。前作に続き今作でも、あまり景気のよろしくない、移民が多く住む、アメリカの田舎町を舞台にしている。'08年のリーマン・ショック以降停滞し続けるアメリカの格差と社会不安が上記のような多くの問題を引き起こしていたであろう時期を考えると、『ブルー・バレンタイン』('10)や今作('11夏撮影)でそれらをテーマとして取り入れようとした監督の意図は推して知るべしといったところ。

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それから時は経ち、15年後・・。警察から検事へと転身し、出世の階段を駆け上がる父を持つAJ(上)。不仲の両親の下で思春期を迎えていた彼は立派なきかん坊に育ってしまっていた。父親に引き取られ転校した先の学校で、実の父親を知らないまま育ったこれまたきかん坊のジェイソン(下)と出逢う。尖ったナイフのようにワルを繰り返す毎日。そんなある日、AJの家でドラッグパーティに興じていたところ、ジェイソンはAJの父親(エイヴリー)がかつて警官として犯人だった自分の父親(ルーク)を撃ち殺していた事実を知る。怒りに震え、エイヴリーに銃を向けるジェイソン。最後、彼はある行動を取る・・。

一転、複雑な環境で育った思春期の少年2人のうっ積した心のうちを描くパートとなる。親友の父親が自身の父親の命を奪っていたという事実に気付いていくジェイソンの役どころは難しいと思うが、デイン・デハーン君はこのモヤモヤイライラした役を見事に演じていた(ティーンかと思ってたら実はもう26歳でした)。



ゴズリング。寡黙で、一匹狼で、セクシーで、タバコふかして、女たらしで、でも情に深いっていうキャラが定番化しつつあり、ちょっくら同じ役が続いてしまっているかもしれない。今作のルークも『ドライブ』のドライバーに似ている設定で。そんな状況に自身でも飽きてきたのか、今年に入って休業宣言。

"I've lost perspective on what I'm doing. I think it's good for me to take a break and reassess why I'm doing it and how I'm doing it. And I think this is probably a good way to learn about that. I need a break from myself as much as I imagine the audience does."(自分の仕事に対するバランス感覚がなくなってしまった。休むことで何をどういう風に、なぜそれをしたいのかってことを考えなおす良い機会になると思う。ここでいったん仕切りなおすのが必要だって思う。)

ということで、一気にスターになって注目も浴びて、どんどん仕事こなしていったがためにだいぶお疲れのよう。ここいらでちょっと休んでもらうってことで。ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『Only God Forgives』やテレマリ監督作の公開も控えているので、当面はスクリーンで見られるのでいいとして。まぁ、しばらく休んだとしても、彼のような汗臭さ醸し出す男性ホルモン受信中(ワッキー)な俳優はなかなかいないので、戻ってきても仕事はあると思います。まだ32歳だし。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 16:23:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
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