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由紀

Author:由紀
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リンカーン

『リンカーン』と米ドラマ『ニュースルーム』に見る、岐路に立つアメリカの葛藤と渇望


原題:Lincoln
製作:2012年 米国、スティーヴン・スピルバーグ監督
出演:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、トミー・リー・ジョーンズ、ほか
レート:★★★☆☆

Daniel+Day-Lewis+as+President+Abraham+Lincoln.jpg

エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)が大統領に再選された1865年、アメリカを内戦状態に追い込んだ南北戦争は4年目に突入していた。そんな中彼には、奴隷制度を永遠に葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという強い決意があった。そのために、国務長官らとともに憲法修正に必要な票を獲得するための議会工作に乗り出すのだが・・。

・メッセージ
アメリカで歴代大統領人気ナンバーワンのリンカーンの最後の4ヶ月を描いた本作。奴隷解放の実現のために奔走し、その裏で抱えていた内なる苦悩を描く・・とかいうのを想像していたのだが、どっこい、話の大半は票を獲得するための議会工作に費やされ、英雄視されている男が泥臭く、きな臭く、政治家としての"手腕"を発揮した、という話だった。(妻や息子との関係も描かれてはいるけど、正直あまり強い印象は残らなかった。)

「奴隷解放」を高らかに謳ったことで英雄視されている彼だが、その実、崇高でイノセントな想いから奴隷の解放を願ったわけではなく、本心はアメリカという国家が分断してしまうことへの激しい危惧にあり、その政治的なツールとしての奴隷解放だったという。本作でのリンカーンも決して神格化されているわけではなく、生身の人間として時になりふり構わぬ行動を取る姿を描いている。

ただそれも前半までで、後半は達観したような彼の話す台詞がなんだかほとんど全部"名言"のようなものに聞こえ、作品が歴史の教科書的なイキフンをびんびんに漂わせたことは否めない。一方的に南部が悪いわけではなく、勝った北部にも享受したいメリットがあり、そのために奴隷解放という"正義の御旗"を掲げた大統領は決して完全無欠のヒーローなどではなかった。坂本龍馬だって綺麗な仕事ばかりしてたわけではなかろう。そんな善悪に二分できないグレーなアメリカ、を描いてくれると作品としてはもっと魅力的だったのだが、そこはハリウッドである。白黒つけなきゃGoは出ない。


ところで、なぜ今この時代に、誰もが知る歴史上の偉人の業績をあえて映画として取り上げたのかを考えていた。そんな中、同じく週末に見た米ドラマ『ニュースルーム』の第一話に、いまアメリカが抱く国家としての危機感と葛藤、そして強いリーダーシップへの渇望を見た気がした。

the-newsroom.jpg

ドラマ『ニュースルーム』は米ケーブル有料チャンネルHBO製作のドラマで、さまざまな商業的・政治的な制約の中で、クビ覚悟でも自らの信条を貫いた報道番組を作ろうとするスタッフたちを描いている。『ソーシャル・ネットワーク』('10)で脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンが脚本を手がけ、彼の真骨頂である秒速・長ゼリフの会話劇で、メキシコ湾の原油流出事故など、実際の世界で起きた事件・事故を題材に、報道番組の裏側を見せてくれる。

第一話でキーとなるのは、冒頭、とある大学での討論会。一人の女学生から「アメリカはなぜ世界一偉大な国なのか?」という質問を投げかけられた主人公のアンカーマン、ウィル(ジェフ・ダニエルズ)。他の討論者たちが多様性や自由といった自国を賛美する言葉を挙げていく中、ウィルは「アメリカはもはや一番ではない」と言い放つ。

かたや、「かつてアメリカを一つにまとめあげた英雄の偉業」を称えた映画。かたや、「頭打ちになった資本主義と終わりなき闘いを強いられる自由主義の代償」を暗喩するドラマ。形式も時代設定もストーリーもまったく異なる2つの作品だが、両作を通して見えるのは、偉大なる民主主義国家、世界経済のグローバルリーダーを追い求めるがゆえのアメリカの葛藤、それを導き示してくれる強烈なリーダーシップへの渇望の叫びだ。

戦後のあらゆる社会システムや価値観が頭打ちになっているのは日本とて同じこと。映画やドラマといったメディアの存在自体の価値も変わっていく中、この大きな時代の過渡期に描かれていくであろう喪失と希望を、見逃さずに目に焼き付けていきたい。

・演出/映像
すっかり話はそれてしまったが、『リンカーン』について。舞台美術・衣装ともにハイクオリティ。スクリーンには完全に19世紀の土の匂いかほるアメリカが広がっていた。そこはさすがスピルバーグ。細部までこだわってます。

・キャスト
前作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と今回の作品で、俳優として完全に一つ上の次元へ昇った、ダニエル・デイ=ルイス。こんなお化け役者が歴史上の偉い人演じればそりゃオスカー獲るよねってオチ。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

映画 | 10:29:58 | トラックバック(0) | コメント(2)
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// 紀平 光太
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2013-04-30 火 14:16:12 | URL | 紀平 光太 [編集]
紀平さん
はじめまして!
ご案内ありがとうございます。
サイト、訪問して拝見させていただきますねー。
2013-05-05 日 20:47:55 | URL | 由紀 [編集]
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